塩と食文化

料理は塩の使い方で決まる。その塩に対して、私達は長い間あまり疑いを持たずに使ってきた。

どこの家庭でも、料理屋でも、そこで使われていた塩は海水からイオン交換膜法で作られていた物で、いわば化学物質としての「塩化ナトリュウム」であり、自然から得られた本来の塩ではなかったのだ。

70年代以降、日本人が最も大切にしていた塩はにがり成分のない工業化された「塩化ナトリュウム」であり、それを食塩として私たちは使っていた事になる。

90年代中頃に塩の専売が解禁された事で、多種多様に塩が使える様になり、塩の使い方が注目される時代になったわけだが、そう云う意味で食べ物という物をよく見てみると、1960年代から生産段階での農薬や殺虫剤や抗生物質、着色料。

そして流通過程 での合成保存料や殺菌剤などがかなり多方面で使われ、食品産業のみならず、農業までもが一般の工業食品と同じように大量生産、大量販売の為に工業化が進んでいった。

さらに日本は高温多湿で病虫害の被害が多い事もあり、多くの農薬を使った 農業 が定着し、第二次大戦前の日本ではあたり前であった自然な食品等はほとんど見かけないほど少なく なっている。

我々はすでに半世紀以上も、化学物質を多用した食品や 食生活 を何の疑いも持たずに続けて来た事にとなるのである。

この様な,食糧の安全性 揺らいで来た時こそ、消費者自らが,自分の食べる物は自分で手当していかなければならない事を覚悟する時代が来た様に思われる。

その為には自ら農業をやるもよし、信頼の出来る農家に作ってもらうのもよいだろう。要は、消費者と生産者 が何らかのつながりを持って 安心出来る食べ物は「相互努力」と「信頼関係」で確保するしかない、という所まで来た、と言う事だ。

そうなると安全な食べ物に対する手間も、コストも当然にあがる。

いつまでも便利に60円のハンバーガーや280円の牛丼が食べられること自体が無理なことであり、長くは続かない,とい事をもっと認識しなくてはいけない。

ファーマーズ・マーケット 2005は、その生産者と消費者が直接出会える場であり、これからの日本の食文化をどう立て直すかのきっかけにして行かなければいけないと思っている。

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